変わった経験」カテゴリーアーカイブ

警察が机をバンバン叩いて、「どういうつもりだ!」と怒鳴った。その2 警察にて

<前回までの話>

http://andante-inc.ciao.jp/aichi_mission/wp-admin/post.php?post=1723&action=edit

夜9時の警察は、道を聞く人でごった替えしていた。

息子は、すでに警察所の中のイスに座っていた。
机をはさんで警察官と対峙していた。

酔って、わけのわからないことを言っていた。

私は、おばあちゃんを従えて入った。

息子の隣に、おばあちゃんが近づき、警察官の前に行き
「息子がこのカラオケに昼間から行って飲んで、私をぶつんです」と
耳が遠い中、一方的に話していた。

警察官が私を見て要領を得ない顔をしたので、
「実は、隣の部屋で怒鳴り声が聞こえて、入ったら、おばあちゃんを殴ったので連れてきたんです」と警察官に伝えた。

取調べの警察官は20代後半の眼つきの鋭い精悍な感じの人だ。

一部始終を聞いた後、警察官の次のせりふに驚愕した。

「あんたねえ。生活保護もらって酒なんか飲むんじぇねえ」
「酒は生活保護の前から飲んでただよ」
「言い訳いうんじぇねえ。この野郎!」
「生活保護もらう奴は、酒なんか飲んじゃいけねえんだ」

すごい怖い。ヤクザなみだ。

これじゃあ、普通の人は、取調べ受けたら、白状するよなと十分想像できた。

私が関心を示して見ていると年配の優しそうな警官がちょっと外へと連れ出した。

「どういった関係で?」
「隣の部屋ですごい声が聞こえたので。。。」
「念のため、連絡先を教えてください」

自分は容疑者でもないのにと思いつつ、素直に連絡先を教えた。

「最近、こういうの多いんですよ。失業して生活保護受けていて、結局持ちつ持たれつで離れられないんですよ。親も愛情あるし、そういう息子育てた責任もあるし。。。この辺はまだいいほうですけどね。」

なるほどね。まあ良いことしたなと思いつつ、帰途に着いた。

しかし、このときは、また別の運命が待っているのは知る由もなかった。

警察が机をバンバン叩いて、「どういうつもりだ!」と怒鳴った。その1

それは、10年ほど前、東京の三軒茶屋のアパートに住んでいた時のことだ。
実家へ帰り、9時過ぎに自分の家へ帰ってくて入ろうとすると
アパートの隣の部屋で怒鳴り声が聞こえる。耳を澄ますとどうも酔った息子の声のようだ。

隣はおばあちゃん(母親)と50代の結婚していない息子の二人住まいだ。
息子は、頭が剥げていて、昼間もぶらぶら歩いていて、あまり働いているように見えない。
締りのないタコみたいな顔をしている。

おばあちゃんは、腰がまがって小柄だ。
足が悪くで、ヒコヒコ歩く感じの人でいかにも人の良さそうな感じだ。
耳が遠い。

どうも、息子が騒いでいるようだ。
「おまえは何だ! ばばあ。」
「何言っているんだ。」と怒鳴り声は続く。
「おれあ、関係ねえ」
そのうちにバシッ、バシッという音まで聞こえてきた。
どうも殴っているようだ。

ここに来て、どうしようか考えた。

所詮隣の家のことだ。
関係ない。
そんなかかわりになると面倒だ。
でもおばあちゃんが殺されたら。。。
とても嫌な気分になるだろうな。
そうしたら悔いが残るな。

よしやろう!

とにかくやめさせないと。

覚悟を決めた。

おそるおそる。アパートの隣のドアを叩いてみた。

トントントン

中の人は気づかない。

少し勇気を出して

ドンドンドン

さらに勇気を出して

ドンドンドンドンドンドン

中で声が聞こえて、ドアが開いた。

「どうしたんですか?」

「息子が酔って私を殴るんです。」
「昼間からカラオケ行って、働かないんです」
「何言ってんだ。ばばあ」
「ひどいんです」
「そうなんですか?」と私
「ばばあ、勝手なこというんじゃねえ」

バシッと息子は小柄なおばあちゃんの頭をぶった。
おばあちゃんはよろけた。

「おまえ何すんだ!」
「この、ばああが悪いんだ」

彼が言い、終わらないうちに

「親をぶつんじゃねえ~」と
私は、息子の胸倉を左手で突いた。

私は体重85kg。体がスポーツで鍛えてある。
私は、軽く押したつもりだったが、
息子は、後ろに吹っ飛び、背後のふすまにぶつかり、くずれ落ち、
上にかけてあるのれんが落ちた。

息子はびっくりした顔になり、
起き上がると、
「おまえ関係ねえ」
「親をぶつな、この野郎」とにらみあった。
「警察行くか!」
「行こう」

おばあちゃんを含めて3者で駅前の警察まで歩いていくことにした。
私は少し歩くと疲れて休む足の悪いおばあちゃんと一緒に
歩いていった。息子はとうの先へ歩いていき
姿はもはや見えない。

逃げたら、やだなと思いつつ警察へ向かった。

乗りかかった船、どこまでやんなきゃいけないのかと思いつつ。。。

時間が止まった中、「おい!!電車ストップ!!ストップ!!」と吠えた。

今日、ランチ会の待ち合わせの場所へ行こうと、名鉄の金山駅で電車下りて、階段の方へ歩きかけた時のことだ。

背後で、ドスンと音がした。

振り返ると、ホームと電車の隙間にギタ―ケースを持った若い男性の体が落ちて片足がはまっている。

周りの人は呆気に取られているのか、マトリックスの映画のように時間が止まっている。

そして、もちろん、誰も動かない。

静寂の中、、マトリックスの主人公のネオのように瞬間的に、20mくらい走って、彼に近づき脇の下に手を入れて引き上げようとした。

しかし、びくとともしない。

以前にネットで、ホームの下に落ちた人は一人では引き揚げらないと書いてあったのが記憶によみがえった。

しかし、そうも言ってられない。

このまま電車が動き出したら、目の前で人の死に遭遇することになる。

それはまったく持って見たくない光景だ。

当たりを見回すと右前方40mくらい先に車掌の姿が目に入った。

車掌に向けて、

「おい!!電車ストップ!!ストーープ!」

とありったけの声で吠えた。

その瞬間、時間が再び動き出し、催眠術が解けたかのように

車掌がバラバラと走ってきた。

ホームにいた駅員も駆け寄ってきた。

視線を彼に転じると、今やその男性はホームにへたり込んで座ってる。

彼が自力で上がったのか、私が叫んでいる間に、他の人たちで男性を引き揚げたようだ。

うなだれて憔悴しきっている男性の肩に手を置いて「怪我はないの?大丈夫?」と聞いたら、黙って首を縦に振った。

あとは、駅員に任せようと、その場をあとにした。

これは、人命救助となるのだろうか?

こういう場面(交通事故が起こったあと)に過去、何度か遭遇している。毎回そうだが、当事者や周りの人間で、事故後すぐに動けた人は見たことがない。

みんな、その瞬間に止まるのだ。

例えば、車で人をはねたばかりの運転者に遭遇したことがある。彼は、道路に横たわる人を前にして、救急車を呼ぼうと携帯にダイヤルしてるが、手が震えてまったく掛けられなかった。

私が、事故を見に来た野次馬と一緒になって、その人を歩道の安全な場所へと運んだ。

今回、自分も落ち着いてみると、自分が背負っていたリュックはホームに転がっていた。
咄嗟にリュックを放り出して、男性に駆け寄ったのであろう。

今日は、なぜか、自然に突き動かされるように約束の時間よりかなり早めに出た。

それは、ある意味、虫の知らせだったのかもしれない。

何はともあれ、良かった。

そして、こうした良いことをすると、徳を積むというか、自分の運気が上がると同時に、自分自身が危ない目に会っても助かることも経験している。

「情けは人のためならず」というのは、どうも本当のようだ。

この部屋には、何かがいる。。。つくはずのない電灯がいきなりバチバチっと。。。

先週は雨がひどかったですね。京都の桂川が氾濫しそうと聞くと、思い出すことがある。

それは、8年ほど前、当時東京から出張で神戸や大阪にカウンセリングに来ていた。3日ほどの出張で、体は疲れ切り、最後、京都でも観光しようかなととあるビジネスホテルに泊まった時のことである。

まあ、寝るだけだからと取ったのは、桂川を望む安いホテルだった。その日も雨がしとしと降っていた。

夜も11時近く、駅から降りて、荷物をゴロゴロ引いて、こじんまりしたホテルへ行くと、フロントで顔色の悪い細身の係の人に、「3階が空いてます」と言われた。鍵を持ってあがろうとすると、エレベーターがない。うんざりして、「ちょっと、2階とか空いてないんですか?」「ええ空いてますが、いったん部屋を決めたら変えられませんよ」と言われた。

不愛想で変な係だと思い2階に入った。入ると1ルームの部屋で、廊下があり、その横にトイレ&バス、そして突き当たりがベットルームだ。ちょっと暗い部屋で、窓を開けると眼下に桂川が流れている。しかし、漆黒の闇で外は見えない。

部屋には2つベットが置いてあり、カップルで使えそうな部屋だ。部屋の照明は全体的に暗い。荷物を置いてベットでくつろいだ。部屋の入口の廊下のところにある電灯まで歩いていき、電気をつけようとしたがいくらやってもつかない。「ちぇっ、壊れてんな。フロントにクレームしないと」と0番でフロントに電話しても出ない。

しょうがないと外線でかけると出た。「部屋の廊下の電気の電球切れてんだけど。。」「ごめんなさい。それつかないですよ」「あーそうなんですね。了解しました」

本当にサービス悪いなと思いつつ、仕事関係の電話をしないといけないので数軒電話したあと、電気を消した。すると、天井にはめ込み式のガラスがあり、その中にボーッと緑色の電灯らしきものが見える。「気味わるいな」と思い、またフロントに電話した。

しかも、また外線からでしかかからない。「寝たいんだけど、天井の明かり消えないんですか?」「ええ、それは非常用で消えないんです」

しょうがないな思って、寝ることにした。

仕事で少し緊張が昂ぶっていたのか、いつもなら5分で寝落ちするのが、30分ほども目がランランとしている。あー、早く朝にならないかなと思いうつらうつらした。

その途端。。。

バチバチバチっと音がした。「何だ、何だ」と部屋の電気をつけてベットから飛び起きた。部屋と廊下の間のドアを開けると、つくはずのない切れている廊下の端の電灯がついている。
背筋がゾーッとすると良く聞くがまさに、それだった。

この部屋には何かがいる。。

またフロントに電話した。また外線からだった。

「あのですねえ、廊下の電気切れてると言ってたでしょ。でも今、ついたんですよ!ちょっと聞きたいんですが、ここの部屋で過去何かあったでしょ!!」

「。。。。」

「ねえ。。。」

「。。。。」

「ねえ。。」

「。。。」

沈黙は語ると言うが、今、その沈黙は受け入れ難く、そして、まさに沈黙は状況を受け入れるための十分な時間であった。

「いえ、ありませんよ」

「ちょっと部屋を代えて頂けませんか?」

「お客さん、約束したじゃないですか?部屋を代えられないと最初に。。ですからできません!」

「えっ、でもこの部屋おかしいじゃないですか?」

「だめです!」

それは、これから、朝まで、この部屋にいるかもしれない得体のしれないものと一夜をともにする決意を強いられた発言であった。

さすがに怖いので、ベットサイドの明かりだけはつけて、それから朝日が昇るまで、浅い眠りの苦行が続いたのであった。

翌朝、無事に部屋を出た。そうしたら、昨晩は人の気配を感じなかったホテルには泊まっている他のお客さんがいたらしく、髪の毛が長い顔色が青白い女性のお客さんや、ホストみたいな男性の背がすらつとした陰気な感じの男性とかに廊下で会った。

自分の感覚はおかしいのかわからないので、じゃらんの口コミ欄を帰ってから見てみた。すると、不審な音がしたとか、似たような経験をしている人のコメントがいくつか出てきたのだった。

雨の日になると、今でもそのホテルのじゃらんで口コミ欄をついて見てしまう。すると、明らかに不審な感じのコメントが今でも散見されるだ。

雨、桂川と聞くと、不気味な記憶とともに、心を寒くさせる。。。
 

注意:上記ホテルと本文は関連性はありません。