盗撮がやめられないという方のご家族から相談を受けたことがあります。
よくあるカウンセリングだと盗撮する環境を断つということが主です。もちろん、物理的にはそれがまず必要なことです。
しかし、大切なことは、盗撮する人の頭の中はコントロールできないということです。そうした人は盗撮の衝動が常にあるので、環境さえ整えばまたやってしまうのです。
別な例として、犯罪者をカウンセリングしたことがあるのですが、そうした人は、お腹が空けば、咄嗟にコンビニで万引きしてしまいます。コンビニで万引きしたら次にどうなるかということがわかりません。
万引きする→店員に見つかる→警察に通報される→逮捕される→会社に通報される→解雇される
という物事の順序がわからないのです。あるいは衝動が理性を上回っているのです。
ですから、この衝動を自分でコントロールできるようにしなければ、いったんはやめても、また再発していしまうのです。
これが盗撮をやめるのを難しくしています。まさに動物的で理性が働かないのです。
そして、人は、感情というものがあります。感情は今いる状態から上へ上がることで気分が良くなります。それは、人によってまちまちです。以下の生存の科学という本に詳しく書いてあります。
以下のようにそれぞれ感情のトーンがあり、下に書いてあるほど、感情は上がってきます。
0.5 無気力
1.1 秘めた敵意
1.5 怒り
1.8 痛み
2.0 敵対
2.5 退屈
3.0 保守的
3.5 強い興味
4.0 熱狂
例えば、人がお酒を飲むのもアルコールが回り、感情がハイ(上がる)のが気持ちが良いことを知っているからです。サラリーマンで退屈な感情2.5からハイになってカラオケで大声で騒ぐとか熱狂4.0まで上がれるからです。
DVの人が暴力を振るうのも、それをすることで、感情の状態が上がるからです。1.5から2.5以上に。
リストカットするのは、0.5無気力状態から1.8の痛みを感じて感情が上がるからです。
盗撮する場合は、同様にこの感情が上がることが起きるからです。盗撮すると気分が良いのです。感情が上がるのです。ストレス解消になるのです。ですからやめらないのです。
そして、基本的に盗撮する人は、女性とか性に関してもちろん明らかな逸脱があります。これが根底にあります。同様に、盗撮をやめるといったん約束してもやめないという無責任さ、真実を狡猾に隠すような精神状態も抱えています。
ですから、性の逸脱以外にも色々と心理的な問題を抱えているのです。これは生存の科学の巻末の一覧表によって詳しく書いてあります。
結果として起きてくることは、
・無責任だから約束してもやめられない。
・他人と同意できない。
・自分が良くなるとは思っていないし、変われないと思っている。
・自己評価がかなり低い。どうせ私なんかと思っている。
こうした諸々の心理状態なので、一緒にいる人は、やめると約束して安心しても、でもまだやっていることが判明してがっかりしたり、感情が揺さぶられます。そして、見つかれば犯罪者の家族というレッテルを貼られる恐怖もあり、精神的に不安定になり状態も落ちてしまいます。
それが盗撮行為に関わる家族に起きてくることです。
たまったものではありませんよね。