<前回までの話>
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夜9時の警察は、道を聞く人でごった替えしていた。
息子は、すでに警察所の中のイスに座っていた。
机をはさんで警察官と対峙していた。
酔って、わけのわからないことを言っていた。
私は、おばあちゃんを従えて入った。
息子の隣に、おばあちゃんが近づき、警察官の前に行き
「息子がこのカラオケに昼間から行って飲んで、私をぶつんです」と
耳が遠い中、一方的に話していた。
警察官が私を見て要領を得ない顔をしたので、
「実は、隣の部屋で怒鳴り声が聞こえて、入ったら、おばあちゃんを殴ったので連れてきたんです」と警察官に伝えた。
取調べの警察官は20代後半の眼つきの鋭い精悍な感じの人だ。
一部始終を聞いた後、警察官の次のせりふに驚愕した。
「あんたねえ。生活保護もらって酒なんか飲むんじぇねえ」
「酒は生活保護の前から飲んでただよ」
「言い訳いうんじぇねえ。この野郎!」
「生活保護もらう奴は、酒なんか飲んじゃいけねえんだ」
すごい怖い。ヤクザなみだ。
これじゃあ、普通の人は、取調べ受けたら、白状するよなと十分想像できた。
私が関心を示して見ていると年配の優しそうな警官がちょっと外へと連れ出した。
「どういった関係で?」
「隣の部屋ですごい声が聞こえたので。。。」
「念のため、連絡先を教えてください」
自分は容疑者でもないのにと思いつつ、素直に連絡先を教えた。
「最近、こういうの多いんですよ。失業して生活保護受けていて、結局持ちつ持たれつで離れられないんですよ。親も愛情あるし、そういう息子育てた責任もあるし。。。この辺はまだいいほうですけどね。」
なるほどね。まあ良いことしたなと思いつつ、帰途に着いた。
しかし、このときは、また別の運命が待っているのは知る由もなかった。