時間が止まった中、「おい!!電車ストップ!!ストップ!!」と吠えた。

今日、ランチ会の待ち合わせの場所へ行こうと、名鉄の金山駅で電車下りて、階段の方へ歩きかけた時のことだ。

背後で、ドスンと音がした。

振り返ると、ホームと電車の隙間にギタ―ケースを持った若い男性の体が落ちて片足がはまっている。

周りの人は呆気に取られているのか、マトリックスの映画のように時間が止まっている。

そして、もちろん、誰も動かない。

静寂の中、、マトリックスの主人公のネオのように瞬間的に、20mくらい走って、彼に近づき脇の下に手を入れて引き上げようとした。

しかし、びくとともしない。

以前にネットで、ホームの下に落ちた人は一人では引き揚げらないと書いてあったのが記憶によみがえった。

しかし、そうも言ってられない。

このまま電車が動き出したら、目の前で人の死に遭遇することになる。

それはまったく持って見たくない光景だ。

当たりを見回すと右前方40mくらい先に車掌の姿が目に入った。

車掌に向けて、

「おい!!電車ストップ!!ストーープ!」

とありったけの声で吠えた。

その瞬間、時間が再び動き出し、催眠術が解けたかのように

車掌がバラバラと走ってきた。

ホームにいた駅員も駆け寄ってきた。

視線を彼に転じると、今やその男性はホームにへたり込んで座ってる。

彼が自力で上がったのか、私が叫んでいる間に、他の人たちで男性を引き揚げたようだ。

うなだれて憔悴しきっている男性の肩に手を置いて「怪我はないの?大丈夫?」と聞いたら、黙って首を縦に振った。

あとは、駅員に任せようと、その場をあとにした。

これは、人命救助となるのだろうか?

こういう場面(交通事故が起こったあと)に過去、何度か遭遇している。毎回そうだが、当事者や周りの人間で、事故後すぐに動けた人は見たことがない。

みんな、その瞬間に止まるのだ。

例えば、車で人をはねたばかりの運転者に遭遇したことがある。彼は、道路に横たわる人を前にして、救急車を呼ぼうと携帯にダイヤルしてるが、手が震えてまったく掛けられなかった。

私が、事故を見に来た野次馬と一緒になって、その人を歩道の安全な場所へと運んだ。

今回、自分も落ち着いてみると、自分が背負っていたリュックはホームに転がっていた。
咄嗟にリュックを放り出して、男性に駆け寄ったのであろう。

今日は、なぜか、自然に突き動かされるように約束の時間よりかなり早めに出た。

それは、ある意味、虫の知らせだったのかもしれない。

何はともあれ、良かった。

そして、こうした良いことをすると、徳を積むというか、自分の運気が上がると同時に、自分自身が危ない目に会っても助かることも経験している。

「情けは人のためならず」というのは、どうも本当のようだ。

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