前回、以下で、パワハラの根底には理解しない業務用語と段取りがあるとお伝えしました。
今回は、「理解」とはそもそも何かについてお伝えします。これはコミュニケーションの根底にあるものです。
では、まず定義からです。
「理解」
・物事のすじみちをさとること。わけを知ること。物事がわかること。 「文意を―する」
・人の気持や立場がよくわかること。
と辞書の定義であります。もっと専門的になると理解は下の3つの要素から構成されます。
親愛の情(Affinity)
好意や愛情、あるいはその欠如の程度、それは誰かあるいは何かに対する愛、または好きだという気持ち。距離に対する許容の度合い。大きな親愛の情は近くにいることを許容。
あるいはそれを好むということ。
親愛の情の欠如は近くにいることを許さないこと。
例:誰かに対する好意。親愛の情が強くなると一緒に居たくなる。遠距離恋愛が上手くいかなくなるのは、距離が離れることが主な原因です。
恋人同士が好きになると親愛の情が強まり、一緒にいたくなります。そして、結婚すると一緒に食生活をともにするようになります。離婚の場合は、まず親愛の情が薄れてきて、一緒に居たくなくなります。そして別居するようになり、ついには離婚となります。
現実性(Reality)
何かが存在していることに対する合意。個人が現実性であるというものではなく大多数の人たちがそうだと合意するもの。
例:話が合うのは同じ趣味や同郷の人です。相手との共通のものがあると話が弾みませんか?また、相手に「このラーメン屋さん美味しいよね?」と言ったときに、「そうは思わないよ」現実性が異なると相手を理解しがたくなります。
コミュニケーション(communication)
2人の人間やターミナルの間で考えや物体を交換すること(ターミナルとはコミュニケーションを受け取り、中継し、送ることのできるどのようなもの)
例」シンプルにコミュニケーションのことを示しています。
頭文字を取ってARCの三角形と言います。この三角形が大きくなれば、相手をより理解したことになり、小さくなると、相手を理解できなくなります。
この定義からすると、単に相手に事実(現実性)だけを言うのは理解されません。例えば、怖い顔で相手に何かを言うのと、優しい顔で言うのとでは明らかに相手に理解されるかの点で違いがあるでしょう。
両者の違いは、「親愛の情」があるかないかです。
これは叱ると怒るの違いとも言えるかもしれません。例えば、業務で部下がミスをしでかした時に、「何でそうしたの?」と優しく言うのと、「何でそうしたの!!」と怒って言うのとでは違うでしょう。
怒って言うと同じ内容でもパワハラになるでしょうね。
またとても親愛の情があるけれど、ちゃんと相手との「現実性」合意を取らずに、物事を進めると後にトラブルになりませんか?
すると親愛の情も落ちてしまいます。
仕事ができる上司にありがちなのでは、「若い頃は、聞かずに自分で考えてやったのに。。今の若い者は?」というタイプです。昔と今では違います。殴られたり、仕事は盗めと言われて育った世代と言って聞かせた世代では、明らかに現実性が違います。
もし、そうした上司が部下に仕事をやらせようと思った時は一度、部下の現実性に即した指示を出す必要があります。1から10まで一度教えるとか何か手段を講じる必要があるでしょう。
さらに部下とすれ違うようになったら、部下のせいにするのではなく、コミュニケーションを取って、現実性の違いをきちんとお互いすり合わせることです。
相手にせいにしている内は何も解決しません。
そうすれば、親愛の情も戻り、結果として相手を理解できるようになります。
何か一つの角、親愛の情が落ちたら、現実性を上げるとか、コミュニケーションを取るとかしてきちんと修正してみて下さい。
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